ハンコのアウターケア
せっかく作ったハンコ、保管方法が悪いと何にもなりません。
良い印鑑を末永くお使いいただくために
●ハンコのお手入れと保管方法
捺印後、そのままの状態で放置することは、はんこにとって良いことではありません。
印面に残った朱肉が乾燥し、固まってしまうからです。これではせっかくの美しい印面が水の泡です。そこで、捺印後はこまめに布で印面に付着した朱肉をしっかり拭き取りましょう。その後は、必ずケースに入れて保管して下さい。
特に水牛関係の印材は虫食い(衣類などに付くのと同じ虫)などが発生しますので注意が必要です。
また黒水牛、オランダ水牛は乾燥によってひび割れが出来やすいですので、冬場などは暖房器具のそばに放置しないようにして下さい。乾燥によるひび割れの防止策として、年に1〜2度、植物性オイルを布などに軽くつけて印材にぬり、お手入れをしていただきますとよいでしょう。(象牙と柘材は、植物性オイルは禁物です。ご注意ください)
職人が精魂こめて彫刻しましたはんこは、お客様にとってもご自分の身代わりとなる大切なものです。どうぞはんこの扱い・管理には十分にご注意ねがいます。
●上手な捺印の仕方
押印時の朱肉をつけすぎないことがコツです。軽いタッチで、ポンポンとつけましょう。そして、押印する用紙の下に適度なクッションとなるものを敷き(堅すぎず柔らかすぎないもの)、押印する箇所にはんこを真っ直ぐに立て、「の」の時を書くように重をバランス良く移動していきます。すると、ムラなく鮮明に捺印できます。
また、お使いの朱肉によりましても印影の美しさに違いが出ますので、朱肉はなるべく品質の良いものをお使いくださいませ。
●朱肉について
ハンコを捺印するのに欠かせないのが朱肉(中国では印泥、朱泥)です。
本来は硫化水銀を過熱、昇華して得られる銀朱をひまし油などの植物油で溶かしたものです。
光線によって変化変色しない特質があり、アルコール、酸、アルカリにも反応しない最適の朱色です。
しかし純粋な銀朱が非常に高価で、現在は顔料系の朱色をスポンジにしみこませたものが多く使われています。
大切な実印の捺印には出来れば水銀系の朱肉をおすすめします。