12月21日（木）　「跖狗吠堯 (せき く はい ぎょう)」

 毎年年末になると、年賀状用にと来年の干支にちなんだ４文字熟語のハンコをお作りになるお客様がおられます。
今年もその時期がやってまいりました。
今年の御題は、「跖狗吠堯 (せき く はい ぎょう)」です。
わざわざ解説文まで添付して下さっております。

イヌは忠誠心の盲目とも言えるでしょう。
なぜなら 主人に忠実とか 言うことをよく聴くといった態度は聞こえは良いが 見方を変えれば 主人のご機嫌をうかがって言うがままに動く卑屈な態度でもあるわけで この忠誠心は厄介なことに 自分にエサを与えてくれる悪人主人だったとしても その人の命令には絶対服従することになるのです。
そう言う意味から イヌの忠誠心は盲目と言わざるを得ないのであります。 「跖(せき)」はつまり春秋時代の大盗賊で 飼われていたイヌ いわゆる「跖狗(せきく)」(狗はイヌのこと)は聖天子の堯帝にさえ吠えかかった という意味を表しており そこから ことの善悪に関係なく 自分の主人に忠誠を尽くすことを伝えており 「忠」たるや 誠に危ういと言わざるをえないわけであります。
ただ 注目点として 忠誠心そのものは封建的社会においては むしろ称揚された徳目であったということでも あります。

 今年で６年目となりますが、その都度違った書体でお作りしようかと毎年楽しみにしております。